Mar 22, 2008
1929年のパーティのようだ―NYTコラム、ポール・クルーグマン
Feb 22, 2008
70年代のリバイバルは勘弁-NYT(ニューヨーク・タイムズ)コラム、ポール・クルーグマン
Don’t Rerun That ’70s Show
By PAUL KRUGMAN
The New York Times Published: February 22, 2008
次の大統領はジミー・カーターの再来になるだろうか? 木曜日の経済関連のヘッドラインを見ていると、1970年代型のスタグフレーションの再来を警告するものが続いていたので、あなたもそう考えたかもしれない。
実際に、アメリカ経済の直面している今と1970年後半の比べても強い関連がない。これはよいニュースかも。
悪い知らせは、経済状況は似ているように見えるが、ブッシュ一世の時の経済よりも悪い状態にあることだ。そして、次の大統領が、翁ブッシュや、カーターのような運命をたどることを予想するのはそんなに難しいことではない。
カーター時代の経済について議論しよう。
ジミー・カーターの経済成績は、ほとんどの人が考えるよりすぐれている。彼の政権担当時の平均経済成長は3.4%で、ロナルドレーガン時代よりもわずかに高く、どちらのブッシュ時代よりも遥かに高い。
レーガンは、アメリカ国民に、4年前より進歩したかどうか尋ねた有名な出来事があったが、答えは、実際イエスであった。多くの家庭では、1976年より1980年のほうが、高い実質収入を得たからだ。
しかし、よい経済ニュースは、カーター政権の初期のころに現れた。一方で、彼の最終年は、主に石油価格上昇による原因による失業率とインフレを上昇させたと評価されている。
そして、いま再び、経済は、石油価格とともにインフレのコンビネーションのせいによる経済の弱体化に襲われている。
だからといって、今我々は1970年代のようなスタグフレーションにさいなまされているとは思わない。一つは石油への依存度は下がっている。アメリカは1979年の実質GDPは2倍になっているが、石油を消費は少し上回っているだけだ。また他には、かつてインフレを二桁に押し上げたような給与の上昇がない。実際は、給与成長はインフレ率が上昇しているけど、減少している。
よりわかりやすい比較は、今の経済は1990年初頭に似ており、今回はさらに悪化しているということだ。
ブッシュ一世が大統領のころ1990-1991に不況を引き起こした。彼の本当の問題は、回復しているとされているころに起こった。1980年代の不動産バブルの崩壊によって悪化させられ多くの銀行で金融問題が発生し、家計の負債の上昇などによって消費者支出が弱くなった
結果的に、失業率が、1992年のピークには7.8%まで上昇した。
もし、これが聞いたことある話なら、そのはずだ。多くの経済学者は、いまの状況と1990年前半を比較している、不動産バブル、サブプライム、多かれ少なかれ同じように貯蓄や貸し出し機関に、不良債権を抱える問題に役割を果たし、金融全般の問題を引き起こした。
違いがあるとすれば、今回は、もっとひどいことになっているということだ。より大きなバブル、もっとひどい金融不安、より根深い消費者の借金、そして、空前の石油価格がこのどれにもかかわっている。だから、もし歴史がなんらかの指針となるなら、我々は今回の経済弱体が、長く続くことを見ておくべきで、多分2010年くらいあるいはそれ以降まで引きずるかもしれない。
では次の大統領は、この悪化を収拾させることができるのか? 経済に直接関係すれば、答えはYESだ。
今となっては、カーター氏が他に手を施しようがあったのか不明であるが、スタグフレーションの問題は、手の施しようがないのである。しかし、弱い消費については扱い可能だ。大掛かりな国民を守る経済負担を軽くする―単に税金の還付をするだけで、誰も支出しないようなものではない―公共投資を強調した財政刺激計画なら、国の経済的な痛みを和らげることができるだろう。
政治的に、これは出来そうにもないように見える。
たとえ次の大統領が民主党でも、どんな刺激策も、強烈でイデオロギー色の強い議会の反発を食いそうだからだ。次の大統領は、効果的な計画のために戦えるだろうか? あるいは、今年、議会民主党が法制化の過程で、保守派の反対に押し切られ効果の少ない案に妥協したような案を見ることになるのだろうか?
最近まで、私は、次の大統領のもっとも大きな政治的な困難は、ヘルスケアの改革だとおもっていたのだが、いまでは、次の政権が最初に取り扱うべき最大の問題は弱体化した経済の建て直しだと考えている。
もし、効果的な行動がおこなわれそうには見えてこないと、次期大統領は、ジミー・カーターの苦しみを味わうことになる。彼は政権を次のような「結合と信頼に基づいた新たな国家精神を一緒に作り上げようではないか」という言葉で始めたが、アメリカを、強硬な右派の人の手に受け渡すことで終わった。
Jan 25, 2008
景気刺激策効果なし―2008/1/25 ポール・クルーグマン NYT
Stimulus Gone Bad by paul krugman 2008/1/25 NYT
Jan 21, 2008
レーガン神話をぶっとばせ―paul krugman NYT コラム
歴史の語り口が問題だ。保守派がいまだにFDRやニューディールについて糾弾する本を書いているのは、かなり昔に過ぎたアメリカの出来事が現在の政治に影響することを知っているからだ。
Jan 19, 2008
私の為に泣かないで、アメリカ―ポール・クルーグマンNYT(The New York Times)コラム
don't cry for me America paul krugman 2008年1月18日発行NYTコラム
メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ再び。タイ、インドネシア、そらからアルゼンチン再度。
そして、今や合衆国に。
この話は過去30年繰り返されている。世界の投資家はリターンについて嘆いており、その代わりを常に探し求めていた。それで、投資先国や何かを見つけたと思うやいなや、資金がどっと流入する。
しかし、ついにそのような投資機会が、思ったように行くわけがないのが明白であり、資金は大慌てで流出するが、先に好感触だと思われた投資先が惨憺たる結果に終わるのだ。これがラテンアメリカやアジアで幾度となく繰り返された金融危機である。そしてこれが、合衆国における住宅と信用を組み合わせた危機の顛末でもある。途上国がよくしでかしていた役を、最近我々が演じているのだ。
その理由は後で説明するが、アメリカが、言ってみればアルゼンチンのような深刻な不況に見舞われるということはないだろう。しかし、問題の原因は、とても類似している。そして、これらの原因を理解することは、合衆国の経済政策が、間違っていたことを理解する一助になる。
我々の混乱の世界的な原因は、ベン・バーナンキ以外にある。彼は2005年に、FEDの総裁に任命される前に、有力な発表を行なっていた。バーナンキ氏はよい質問をした。「なぜ、合衆国は世界最大の経済国なのに、世界市場からこんなにも―貸し出すのが自然に見えるのに、借り入れを行なっているのか?」
彼の答えは、この主な原因はアメリカ自体になく、海外にあると言った。特に、途上国の経済は1990年代には投資家に好まれていたが、1997年に始まった一連の経済危機によって、揺さぶれられることとなった。結果、投資家は、資本の投資先を、資本の大元へと急激に転換させ、途上国政府は、巨額の準備金を海外資産へと集中しだしたのである。
結果、バーナンキ氏は、「世界的貯蓄過剰」巨額の資金が、準備されたまま行き場がなくなってしまったと述べた。
最終的に、ほとんどの資金が、アメリカに来た。なぜ?バーナンキ氏いわく「米国金融市場の深さと洗練具合」だと言う。
一つだけ除いて彼は正しい。米国金融市場は、洗練されているというより詭弁的だと判明している。詭弁というのは、私の理解では「無効な議論を適宜に示し、誰かを騙すことを望む単なる理由付け」というもので、援用すると「疑い深いローンをコラテラルデットオブリゲーションとして再パッケージし、完全に安全なトリプルAランクに格付けし、絶対に失敗しないというイメージを創出する」というもの。
言い換えると、合衆国は、実際には、世界の余剰資金を活用できる特別な場所というわけではなかったということだ。そうではなく巨額の資金がひどい有様で投資された場所だった。直接、間接問わず、世界の投資家からの資本は、住宅と信用バブルに使われ、それは弾けてしまい痛みを伴う結果を生んだ。
さっき述べたように、これらの結果は、途上国で起きた類似の兆候による犠牲ほどひどい不況にはならないだろう。貯蓄の優美さによるアメリカの場合、対外債務は我々の通過価値にすでに含まれているからだ。これで我々はアルゼンチンが経験したような、ペソの落下がそのまま国の債務の原因となるような死のスパイラルに陥ることはないだろう。ドルは国内資産によって膨張しているからである。
しかし、通過下落によるマイナス要因がないにしても、今後1~2年はとても不快な状況なのは間違いない。
何が間違ったのだろうか? 評論家たちは、FEDが低金利によって住宅バブルを生み出したと言っている。しかし、これらの低金利にはふさわしい理由がある。最後の不況は、政府発表では、2001年の11月に終わっているが、さらに2年経つまで、米国経済は雇用を提供できることができず、FEDは、日本型の長い経済的停滞の可能性を正しく懸念していた。
本当の罪は、FEDとブッシュ政権にあり、それは市場の乱脈の監視に失敗したことにある。
それは、アラン・グリーンスパンが、住宅市場に少しばかり「流動的」になっている以上のことが起きていたことや、サブプライムの扱いが酷かったことを単に認めようとしなかったこと
にあるのではない。問題は、アメリカの金融制度が、より複雑になって、かつて我々を保護した銀行規制の枠組みを超えてしまっていることで―そうであるが、枠組みを最新のものにする代わりに、我々が得たのは、自由市場の是非に対して賞賛ばかりであった。
今現在、バーナンキ氏は、危機管理状態に置かれており、前任者の残した混乱に取り組もうとしている。私には、彼の昨日の証言に何の問題もないように見える。ただ不況を避けるにはもう遅きに失した感は免れないけども。
しかし、ちょっと混乱が落ち着くのをまって、バーナンキ氏が、金融市場がとってもとっても不味くなったことを修正するために何が必要か議論を主導していくことを期待しようではないか。